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6面体要素メッシュによるCOIL(外部電流磁場ソース)の定義

Jul 6, 2009

EMSolutionにおきましては、インダクタンスが計算できる断面寸法を持つCOIL(外部電流磁場ソース)の定義の際、直方体(GCE)、矩形断面ループ(LOOP)および矩形断面円弧(ARC)の集合で入力する必要がありました。例えば、Fig.1のようなコイルをGCEとARCで定義することは困難です。GCEで隙間や重なりを許して近似的に定義することはできますが、電流連続性が満たされません。この度、6面体のメッシュでCOILを作成したものを定義できる方法を導入しましたので、報告します。以下、メッシュにより定義されたCOILをMeshed_COILと呼びます。

1. ヘリカルコイルへの適用
Fig.1ではコイル断面を作成し、それをコイル長に沿って押し出してゆき、その間に6面体要素を作成しています。必ずしも断面は長方形でなくても良く歪んでいてもかまいません。ただし、6面体要素の下面および上面の4節点は一平面上にあるように作成してください。(上下面が一平面上に無い場合も計算可能ですが、厳密には電流連続性が満たされない場合があります。)このように定義されたメッシュを「COIL_geom.xxx」ファイルに格納し入力ファイルとします。.xxxの拡張子は「input. 10.入出力ファイル」INPUT_MESH_FILEのタイプによります。なお、ARCやGCEで表現できるものであれば、それらの方が解析的に計算でき、精度があります。
Fig.2、3に電流積分によって求めた中心平面上の磁場を示します。Pentium 4, 2.8GHz機で8075点の評価点の計算に146.7秒(0.018秒/点)の計算時間を要しています。Meshed_COIL定義は従来のGCEやARC等と同様に、COIL定義内に混在して使用できます。CALC_INDオプションを立てますと、インダクタンスの計算も行え、回路計算に含むことができます。COILの電磁力計算結果をFig.4に示します。この計算では、COILの自己力のみを計算していますが、有限要素法を組み合わせることにより導体や磁性体の寄与を含む電磁力計算も可能です。
インダクタンスや電磁力の計算においては、要素断面内のガウス積分点数(NX、NY)と電流方向の積分点数(NZ)を指定することができます。NZ=0としますと電流方向の積分点数を自動的に判断するアダプティブ計算が行われます。これらのパラメータを変えてインダクタンスを計算した結果をTable Iに示します。本例の場合は、NX=NY=NZ=3で充分と思われます。6面体要素の数が多くなりますと計算時間が多大となります。インダクタンス計算には要素数の自乗に比例する計算時間を要します。また、変形ポテンシャル領域での磁場源として用いますと、境界面での積分が必要で、その計算時間が多大になることがあり、出来るだけリスタート機能を用い何度も計算しないことが肝要です。この計算やインダクタンスの計算はMAKE_SYSTEM_MATRICESプロセスで行われます。インダクタンスは最初に計算しておき、NETWORKやCIRCUITの回路定数として入力しCALC_INDオプションを立てないで計算することももちろん可能で、計算時間の短縮が図れるかと思います。


Fig.1 6面体要素メッシュによるCOIL(Meshed_COIL)定義

Fig.2 磁束密度分布矢印図

Fig.3 磁束密度強度コンター図


Fig.4 COIL電磁力分布

Table I. インダクタンス計算
NXNYNZCPU Time(s)Inductance(μH)
33395.37.31916
555452.77.31831
7771218.57.31815
330240.77.31875

Pentium 4, 2.8GHz

2. 回転機巻線への適用
回転機「永久磁石モータ:モータの巻き線へのCOILの適用例」ステータ巻線へのMeshed_COILの適用例を以下示します。Fig.5に定義されたコイル全体を示します。一つのコイルを作成し、回転コピーして12本のコイルとし、各相ごとに物性番号を与えています。この解析では、上下対称、4回周期対称を用いますので、インダクタンスの計算では積分領域は1/8領域のみでよく、別途、積分領域として、Fig.6の様に積分領域を定義します。このように定義されたMeshed_COILは従来のCOILと同様に、変形ポテンシャル領域内に定義される必要があります。その様子をFig.7に示します。変形ポテンシャル領域はコイルスロットおよびコイルエンド部分をカバーする領域としています。Meshed_COILよって解析されたトルク波形をFig.8に示します。 他のモデル化による結果(Fig.11)に重ねています。本Meshed_COILのモデル(Fig.5)のコイルエンド部分は仮想的に作成しており現実のものには対応していませんが、より現実的なモデル化が可能になったことをご理解いただけるかと考えます。


Fig.5 ステータ巻線のメッシュモデル


Fig.6 ステータ巻線のメッシュモデル(積分要素)


Fig.7 ステータ巻線のメッシュモデルと変形ポテンシャル領域


Fig.8 トルク解析結果(1/2領域)


使用法
1. COILメッシュ定義
COILメッシュを定義しファイルCOIL_geom..xxxとします。xxxは「input 10.入出力ファイル INPUT_MESH_FILE」に依存します。COIL_geom内には、節点および要素データを格納します。要素にはCOILごとに異なったproperty(物性番号)を与えます。この番号は、pre_geom等で与える物性番号と重なってもかまいません。Meshed_COILの各要素は、6面体で表現します(Fig.9)。電流方向は底面(1-2-3-4)から上面(5-6-7-8)とします。底面および上面は必ずしも長方形でなくてもかまいませんが、一平面上にあるものとします。


Fig.9 Meshed_COIL要素

2. input入力
「17.1. 外部電流磁場ソース(COIL)」の要素としてMESHをタイトルとして、COIL_geom中の物性番号を対応付けます。CURRENTはFig.9の電流方向を正としての電流量(A)です。MESH-IDがCOIL_geom中の物性番号に対応します。一つのCOILシリーズで定義されたMESHデータは全体として、電流が閉じている必要があります。MESH-はインダクタンスや電磁力の積分用の要素で、インダクタンスや電磁力を計算する場合に必要となります。MESH-に対しては、分割数(NDIV)やガウス積分点数(NX、NY、NZ)を入力する必要があります。ただし、NDIV=1で要素をさらに分割することはできません。 NX、NY、NZはCOILのインダクタンスおよび電磁力計算のGCE-やARC-と同様です。

入力例
* COIL * SERIES_NO* TIME_ID* NO_ELEMENTS* MOTION_ID* IN_ROTOR * POTENTIAL *
COIL 11 0 4 0 0 0
* MESH* CURRENT* MESH_ID *   
MESH -15. 101
MESH -15. 102
MESH 15. 103
MESH- -15. 101
* NDIV* INT_X* INT_Y* INT_Z *  
1 5 5 0  
END

コイルインダクタンスの計算する場合は、「4. 形状関数の次数」CALC_INDオプションを1とします。
NODE_ORDER* EDGE_ORDER* METRIC_MOD* QUAD_TRI* CALC_IND *
1 1 0 0 1

COILの電磁力計算をする場合は、「10. 入出力ファイル」COIL_FORCE=1とします。従来、COILの電磁力計算をする場合、「11.1. 出力オプション」FORCE_J_B=2を使用しましたが、上に変更しましたので、ご注意ください。COIL_FORCE=1としますと、GCE-、ARC-の電磁力が従来と同様にoutputに出力されます。また、MESH-に対してはoutputへの出力のほかに、COIL_forceファイルに出力されます。ファイル形式は、「10. 入出力ファイル」 POST_DATA_FILEによります。この場合、「11.4. 磁化および電流積分による空間磁場」のデータを入力する必要があります「COILのインダクタンスおよび電磁力計算」。

* MESH* CURRENT* MAGNETIC* FORCE_J_B* FORCE_NODAL* DISP * ELEM* HEAT* MAGNETIZATION* IRON_LOSS* E* COIL_FORCE *
1 0 0 0 0 000 0 0 0 1


使用データ:
ヘリカルコイル:inputHelical.txt, COIL_geom.neu, B_integ_mesh.neu
PM Motor:input_PMMotor.txt, pre_geom2D.neu, rotor_mesh2D.neu, 2D_to_3D, COIL_geom.neu


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