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COIL(外部電流磁場ソース)のインダクタンス計算

July 26, 2006
August 29, 2006(改訂)

EMSolutionにおきましては、従来、COIL(外部電流磁場ソース)の空心の自己および相互インダクタンスは、CIRCUITあるいは NETWORKにおいて入力する必要がありました。 このため、別途、インダクタンスを計算する必要がありました。このたび、COILのインダクタンスをEMSolution内部で計算できるものとしまし た。
インダクタンスの計算はGCE、ARCおよびLOOPの要素に対して行われます。他の要素の自己および相互インダクタンスは計算されずゼロとおかれます。 GCE、ARCおよびLOOPと他の要素の間の相互インダクタンスも計算されます。 解析例として、Fig.1のような軸対称二次元、交流定常解析を考えます。鉄コアに2シリーズのLOOPコイルが巻かれており、Coil1に電圧を加え、Coil 2は短絡されているとします。

Fig.1 解析例

outputファイルに計算された空心のインダクタンスが以下のように出力され、解析に用いられます。コイルは、径方向幅1cm、軸方向幅10cmとし て、100Tとしています。

********* Inductance between COIL series *****************
Series No. 1 -- No. 1 : 2.60613e-004 (H) ***
Series No. 2 -- No. 1 : 2.53315e-004 (H) ***
Series No. 2 -- No. 2 : 5.55669e-004 (H) ***

同じ解析をELMCUR(内部電流ソース)を使って解析した場合との比較をFig.2に示します。 ELMCURを使った場合、空心分のインダクタンスは解析領域に含まれます。ELMCURを使った場合とCOILを使用し空心のインダクタンスを内部で計 算した結果はFig.2のようによく一致しています。

Fig.2 ELMCUR(内部電流ソース)との比較

本機能を使用するためには、まず、次のCALC_INDオプションを1とします。
* NODE_ORDER * EDGE_ORDER * METRIC_MOD * QUAD_TRI * CALC_IND *
1 1 0 0 1

本計算でCOILの入力は次のようになります。従来の入力(LOOPデータ)に加えて積分要素( LOOP-, GCE-, ARC- )のデータを追加します。これらのデータは、最後の行を除いて、対応するLOOP, GCE, ARCデータと同じです。積分要素で定義された領域で磁気ベクトルポテンシャルと電流の積(A・J)の三次元Gauss積分を行 います。積分領域は、メッシュモデル領域に限ったCOIL領域を示します。CIRCUITあるいはNETWORKでREGION_FACTORを定義しま すが、COIL全体に対してREGION_FACTORの逆数分となります。今の場合、-0.5度から0.5度の上半分を定義します。角度は、 DELTA_THETA(いまの場合1度)によります。LOOPに対し、上半分の1度分のARC-データを加えています。積分要素は、磁場には寄与しませ ん。同じコイルに対して二重にデータを入力することになり、面倒と思われますが、計算量の縮小のためとCOIL電磁力計算にも用いるためこのようにしまし た。

LOOP-, GCE-, ARC-データには、最後に分割数とGauss積分点数を追加します。NDIVは要素を電流方向に等分割する数です。分割された要素に対して断面方向に IINT_X × IINT_Y点、電流方向にINT_Z点のガウス積分を行います。要素の形状や磁場分布によって異なると考えられますが、INT_X=INT_Y= 5, INT_Z=3程度で充分な精度が得られるようです。今の軸対称二次元計算の場合は、電流方向に磁場が変化しませんので、NDIV=1,INT_Z=1で 充分です。

* COIL* SERIES_NO * TIME_ID * NO_ELEMENTS * MOTIN_ID * IN_ROTOR *
COIL 1 0 2
* LOOP * CURRENT(A) * RADIUS(m) * CENTER_Z(m) * RADIAL_W(m) * AXIAL_W(m) * NDIV *
LOOP 100. 0.031 0. 0.01 0.1
* ARC * CURRENT(A) *
ARC-50
* X(m) * Y(m) * Z(m) * RADIUS(m)* AXIAL_W(m) * RADIAL_W(m) *
0.0.0.0250.00310.050.01
* ALPHA(deg)* BETA(deg)* PHI1(deg) * PHI2(deg) *
0.0.-0.50.5
* NDIV * INT_X* INT_Y* INT_Z
15 5 1
* END of COIL *
END
* COIL * SERIES_NO * TIME_ID * NO_ELEMENTS * MOTIN_ID * IN_ROTOR *
COIL 2 0 1
* LOOP * CURRENT(A) * RADIUS(m) * CENTER_Z(m) * RADIAL_W(m) * AXIAL_W(m) * NDIV *
LOOP1000.0470.0.010.11
* ARC* CURRENT(A) *
ARC- 50
* X(m) * Y(m) * Z(m)* RADIUS(m)* AXIAL_W(m)* RADIAL_W(m) *
0.0.0.0250.0470.050.01
* ALPHA(deg)* BETA(deg)* PHI1(deg)* PHI2(deg) *
0.0.-0.50.5
* NDIV* INT_X* INT_Y* INT_Z *
1551
* END of COIL *
END

CIRCUITやNETWORKデータに対しては、従来必要とされていた空心分のインダクタンスは入力する必要はありません。ただし、コイル抵抗は入力ください。 上の例では、ELMCURで解析したときの計算結果を入力しました。また、REGION_FACTORが重要ですので、間違えずに入力ください。


使用データ:input.COIL_CIRCUIT.txt, input.COIL_NETWORK.txt, input.ELMCUR_CIRCUIT.txt,pre_geom2D.neu
本データには、COIL電磁力の計算のためのデータも含まれています。COIL電磁力についてはこちらをご覧下さい。→コイルのインダクタンスおよび電磁力計算

注) 本解析例では、COILを用いる場合、鉄コアの内側のコイルおよび空気領域を変形ポテンシャル領域(POTENTIAL=1)とし、他をトータルポテンシャル領域(POTENTIAL=0)としています。 このとき、遠方境界はトータルポテンシャル領域となり、境界条件はトータルポテンシャルに対して適用されます。
今の場合、トータルの磁束密度の法線成分がゼロとしています。 コイルは鉄コアによって囲まれており、コアの外部に漏れ出す磁場は小さいと考えられ、トータルの磁場に対して境界条件を課すことがより適切と考えられま す。


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