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COILのインダクタンスおよび電磁力計算

September 20, 2006

EMSolutionにおける外部電流磁場ソース(COIL)のインダクタンスや電磁力を計算できるようになりましたので、報告します。 COILはメッシュに依存せず、利用しやすいのですが、インダクタンスの入力が必要であったり、電磁力が計算されない欠点があったのですが、SDEFCOIL等と同様な取り扱いができるようになりました。軸対称の場合につきましては、すでに報告しておりますが、ここでは、3次元で磁性体を含むモデルを例にとり説明します。
鉄芯部分をトータルポテンシャルとし、コイルと空気部分を変形ポテンシャル領域とする2ポテンシャル法(A-Ar法)と、全領域をトータルポテンシャルで解き、表面定義電流ソースSDEFCOILでコイルを定義した場合(A法)とを比較し、精度を検討します。
Fig.1に励磁コイルを示します。4つの矩形断面の直線部(GCE)と円弧部(ARC)からなります。インダクタンスや電磁力を求める場合、Fig.1の積分領域を積分要素GCE-,ARC-で定義します。解析は対称性を考慮し1/8領域とします。積分要素はCOILの解析領域内の部分を定義します。起磁力は3000ATとし、線形静磁場解析をします。


Fig.1 励磁コイルと積分領域

Fig.2に鉄芯(比透磁率1000)とA法で求めた磁束密度強度分布を示します。COILを用いた場合もほとんど同じ分布となります。Table 1にA法でのインダクタンス計算結果を示します。境界条件を遠方境界でBn=0とHt=0で解析してみましたが、結果はほぼ同じで境界条件は充分と考えられます。インダクタンスの値はコイルを1ターン換算したものです。インダクタンスは、コイル領域でA・Jを積分した値をLIとおいて計算する方法と、全磁気エネルギー(B2/2m0の全空間積分)をLI2/2として求められますが、両者はよく一致しています。 EMSolutionではLIの磁束量はコイルシリーズの磁束として出力されます。また、磁気エネルギーを計算するオプションも用意しています(MAGNETIC_ENERGYオプション)。
一方、A-Ar法で求めた結果をTable 2に示します。従来、COILのインダクタンスを入力しない場合、磁性体からの磁場による磁束のみが結果として出力されましたが、今の場合、インダクタンスは内部で計算され足しこまれているため、鉄芯を含んだコイルインダクタンスとなっています。この場合も2種の境界条件で解析していますが、一致はよくまた、 A法で求めた結果とも良く一致しています。正規化を行わない場合、ICCG法は10-8までは収束しませんが、正規化しなくても結果はほとんど変わりませんでした。

Fig.2 鉄芯と磁束密度強度分布(A法)

Table 1. A法による解析とインダクタンス計算結果

Table 2. A-Ar法による解析とインダクタンス計算結果

両方法での電磁力の計算結果をTable 3,4に示します。Fig.1の@、A、B各部の各方向のトータル力を示します。両方法の一致が非常に良いことをご理解いただけると考えます。

Table 3. A法による電磁力計算結果

Table 4. A-Ar法による電磁力計算結果

以上のように、SDEFCOILを使ったA法とCOILを使ったA-Ar法の一致は良く、ほぼ等価な解析となっています。上記の計算例は、メッシュを充分に細かく取り、遠方境界も充分遠くにとっています。そのため、非常に一致は良かったわけですが、そうでない場合は差が出てくる可能性がありますのでご注意ください。

使用法

COILのインダクタンスを計算させるには、まず、下記のようにCALC_INDオプションを1とする必要があります。インダクタンス計算は、MAKE_SYSTEM_MATRICESプロセスで行われます。
* NODE_ORDER * EDGE_ORDER * METRIC_MOD * QUAD_TRI * CALC_IND *
1100 1

電磁力を計算する場合は、プリント出力のFORCE_J_B=2とする必要があります。また、このとき磁化および電流積分による空間磁場と同等のデータを入力する必要があります。新たな入力データとして、INTEG_OPTオプションを追加しました。INTEG_OPT=1としますと、有限要素内の要素内積分点を要素中心の一点とします。INTEG_OPT=0の時は要素ガウス積分点を使用します。1としますと、格段に計算時間が短縮されます。このオプションは従来の評価点磁場を計算するときにも適用されます。磁性体や導体から充分離れた位置の計算の場合は、1で充分と考えられます。

* FORCE_J_B * FORCE_NODAL *
20
* XSYMMETRY* YSYMMETRY* ZSYMMETRY * ROTATION *
11-11
* NO_POINTS* NO_MAT_IDS * NO_COIL_SERIES * INTEG_OPT *
0111
* XP(m) * YP(m) * ZP(m) *
* MAT_IDS *
15
* COIL_SERIES *
1

CALC_IND=1としインダクタンスを計算する場合や、FORCE_J_B=2で電磁力を計算する場合は、定義中に積分要素の定義が必要となります。これらの定義は、LOOP-、GCE-、ARC-によって行います。これらは、それぞれLOOP、GCE、ARCと同じ入力形式となっています。 ただし、最後に分割数とガウス積分点数の入力を必要とします。これらのデータを従来のコイル定義に中に含めます。例えば、Fig.1の積分領域は次のように表されます。上半分を定義していますので、CURRENTも半分となります。今の場合、コイルのターン数を100Tとしています。
NDIV(デフォルト値1)は積分要素を電流方向に等分する分割数です。積分は、分割された領域において三次元ガウス積分が行われます。電磁力の出力は分割ごとに行われます。INT_X、INT_Y、INT_Zは各方向の積分点数を表します。デフォルト値はそれぞれ5、5、3となっています。INT_X、INT_Yは断面方向、INT_Zは電流方向の積分点数で、12まで取れます。必要な分割数や積分点数は要素内での磁場の分布によると考えられますので、必要な場合、分割点数や積分点数を多くして変化が無いことを確かめてください。電磁力の処理はPOST_PROCESSINGステップで行われますので、ポスト処理によるリスタート計算を行えば、積分点数等を変更することができます。

* GCE * CURRENT(A) *
GCE-50.
* XS(m) * YS(m) * ZS(m) * XE(m) * YE(m) * ZE(m) *
0.0875 0.0 0.025 0.0875 0.05 0.025
* W1X(m) * W1Y(m) * W1Z(m) * W2Y(m) * W2Z(m) * W2X(m) *
0.00.00.0250.01250.00.0
* NDIV * INT_X * INT_Y * INT_Z *
1553
* ARC * CURRENT(A) *
ARC- 50.
* X(m) * Y(m) * Z(m) * RADIUS(m) * AXIAL_W(m) * RADIAL_W(m) *
0.05 0.050.0250.03750.050.025
* ALPHA(deg) * BETA(deg) * PHI1(deg) * PHI2(deg) *
0.00.00.090.
* NDIV * INT_X * INT_Y * NT_Z *
1553
* GCE * CURRENT(A) *
GCE- 50.
* XS(m) * YS(m) * ZS(m) * XE(m) * YE(m) * ZE(m) *
0.050.08750.0250.000.08750.025
* W1X(m) * W1Y(m) * W1Z(m) * W2X(m) * W2Y(m) * W2Z(m) *
0.00.00.0250.00.01250.0
* NDIV * INT_X * INT_Y * INT_Z *
1553

以上のように、COILインダクタンスあるいは電磁力を計算する場合には、COILの情報を2重に入力する必要があります。一方は従来のものである磁場を発生するコイルとして、全領域のコイルを入力する必要があります。他方、積分要素は磁場を作りませんが、基本的には有限要素メッシュ領域内の部分のみを入力ください。CIRCUITあるいはNETWORKでREGION_FACTORを入力しますが、インダクタンスは積分要素内で積分され、対称性を利用してREGION_FACTOR倍されます。電磁力は、分割された積分要素内でのみ積分され、REGION_FACTOR倍せずにoutputファイルに出力されます。COILデータのNO_ELEMENTSには、積分要素の数も含みます。LOOP, GEC, ARCに対してのみ適用が可能で、線電流要素であるFGCE, FARC等に対しては、本機能は適用できません。


使用データ:inputCOIL.txt,inputSDEFCOIL.txt, pre_geom2D.neu,2D_to_3D

注)本データは、節点数が多く、試用版では実行できません。


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