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SDEFCOILとPHICOIL

June,09 2006

EMSolutionには電流ソースとして、SDEFCOIL(表面定義電流ソース)PHICOIL(ポテンシャル電流ソース)があります。両者は機能的には良く似ており、ここでは、例題をを使い、その違いについて説明します。
Fig.1のような1/4領域のモデルで、円形コイル(平均半径1.5m, 矩形断面1m×の作る磁場を解析するとします。要素分割は4面体の非構造メッシュとします。 ELMCUR(内部電流ソース)による電流ソース入力方法もありますが、このような非構造メッシュの場合は使うことができません。 このような場合の入力方法としては、SDEFCOILとPHICOILが考えられます。


Fig.1 解析メッシュ

まず、コイルの設定方法ですが、SDEFCOILでは、Fig.2で示す電流路を囲む4面(@、A、B、C)の面を面要素によって定義します。それぞれの面要素は異なる物性番号を持ち、コイル内部を面の正の方向として、電流方向に対して右ねじ方向の順で定義します。 一方、PHICOILでは、電流流入面(D)を定義します。電流流出面は反対側の対称面としており、定義の必要はありません。全周モデルのようにコイルが閉じている場合は、 ギャップ要素を併用します。


Fig.2  コイル表面メッシュ


電流分布を決める方法は、SDEFCOILでは、面@からBの間で0から1に変化するポテンシャルと面AからCで0から1に変化するポテンシャルを与え、から電流分布を求めます。 ポテンシャルは面からの距離の比で幾何学的に与えます。 一方、PHICOILでは、面Dに一定の電気ポテンシャルを与え、定常電流場問題としてポテンシャルを解き、 として電流密度を計算します。ここで、はコイルの全電流がIになるように決めます。
実際、両者で計算してみますと、電流密度はFig.3のようになります。SDEFCOILの場合は、ほぼ一様な電流密度(1MA/m2)の場合は、内周側で密度が高くなり、内周側と外周側の電流密度の比は、内径と外径の比となります。



(a)SDEFCOIL(b)PHICOIL
Fig.3 電流密度強度分布

コイル内の磁束密度をFig.4に示します。若干PHICOILの場合、内側に寄っていますが、目だった違いがありません。コイル外側の磁場はほとんど違いが無いといえます。よりアスペクト比(コイル半径コイル断面幅)が非常に小さい場合を別としますと、電流の偏りによる磁場の影響は小さいと考えられます。



(a) SDEFCOIL(b)PHICOIL
Fig.4 磁束密度強度分布


一方、ローレンツ力より求めた電磁力密度分布を示しますとFig.5のようになります。電磁力は電流と磁場の積で決まりますので、電流密度の偏りが電磁力に現れます。コイル内の電磁力密度分布を求めることが重要な場合には、より現実に近いSDEFCOILを用いるべきだといえます。

(a) SDEFCOIL(b)PHICOIL
Fig.5 電磁力密度強度分布

まとめますと、使用面では、SDFECOILの方が4面を定義する必要があり、PHICOILでは電流流入面の一面だけであり、若干SDEFCOILの手間が多いですが、大差はありません。 PHICOILではコイルが曲率を持っていますと、内径側に電流が寄ります。SDEFCOILは四角断面のコイルに適用できますが、矩形でないと電流が偏ります。コイルが細い(コイル断面長さがコイル周長に比べて小さい)場合には、これらの電流の偏りが問題になることは少ないと考えられます。 コイルが太く内部の電磁力分布が問題になるような場合は、電流の偏りの影響が大きく、より実際に近い電流分布を与える方を使う必要があるといえます。


使用データ : input_SDEFCOIL.txt, input_PHICOIL.txt, pre_geom.neu
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