November 10, 2004
AMD Opteron による大規模解析(その2)
以前アミュレット(株)殿より販売されているAMD Opteron機を借用して大規模解析を行いましたが、搭載メモリの関係から、目標とする1,000万要素の計算を行うことはできませんでした。今回メモリ搭載量を最大の12GBとして再び借用する機会を頂けましたので、ベンチマークテストを行いました。本機は、前回同様Linux上で64Bit アーキテクチュアを実現し、4Gbyte以上のメモリを使用することができます。
テスト機の仕様は以下のようになっています。
CPU AMD
Opteron Model 242( 1.6GHz) * 2 [2CPU]
メモリ 1 GB PC2700 (DDR333)Registord ECC DIMM 12Gbyte + Swap 20GB
OS Turbolinux 8 for AMD64
* 搭載メモリは本機で搭載できる最大の12Gbyte、テストは全て 2CPU で行いました。
簡単な静磁場解析問題で、どの程度の大きさまでの解析が可能か調べてみました。今回はメモリが12Gbyte搭載しているので、より大きなモデルの解析を行うことができました。その結果、最大1,007万6面体要素の解析が可能であることを確認しました。解析モデルとして、前回使用した図1-1のモデルを、Z方向にアスペクト比10とした図1-2のような直方体に一様磁場を加えた場合の静磁場解析を、分割を変更して行いました。

図1-1 Mesh Model(100*100*100メッシュ)
アスペクト比1

図1-2 Mesh Model(100*100*100メッシュ)
アスペクト比10、緑矢印は一様磁場方向を表す
図2に要素数とCPU時間の関係を,表1にその数値を示します。Pentium4 2.53GHz, Windows XP,
2Gbyte Memoryとの比較を示します。Pentium4 2.53 GHzとほぼ同速度でありますが、Pentium機ではメモリが2GBであるため、使用するメモリが多くなるとOpteronの方が多少速いという結果になりました。これは、仮想メモリを使用している為だと思われます。

図2 計算時間
表1 計算時間
|
要素数 |
Pentium 4 2.53GHz |
AMD Opteron 1.6Hz |
|
|
time(min) |
time(min) |
time(hr) |
|
|
125,000 |
1.72 |
|
|
|
216,000 |
3.09 |
|
|
|
512,000 |
7.36 |
6.69 |
0.111 |
|
1,000,000 |
19.95 |
13.86 |
0.231 |
|
1,331,000 |
26.08 |
|
|
|
2,744,000 |
|
46.91 |
0.782 |
|
5,451,776 |
|
114.64 |
1.911 |
|
6,859,000 |
|
157.53 |
2.625 |
|
8,000,000 |
|
189.47 |
3.158 |
|
10,077,696 |
|
255.84 |
4.264 |
使用メモリ量は図3のようになっています。同じ計算でPentium機より多くのメモリを要しているのは、プログラムの中でポインターが32Bitより64Bitに大きくなり、それを格納するメモリ量が増えたためです。1,000万要素で約16Gbyteのメモリを要します。

図3 使用メモリ
本機の搭載メモリが2CPUで12Gbyteですので、使用メモリが搭載メモリを超過しており、実行時にページングを起こします。この結果、実行実時間は図4のように長くなります。ただし、使用メモリが搭載メモリの1.5倍程度まではあまり速度の低下は見られませんでした。それ以上になると、急激に実行実時間が大きくなり、実用的では無くなります。しかし、Opteronでは最大12Gbyteのメモリを搭載すれば、1,000万要素の解析ができることを確認しました。

図4 CPU時間と実行実時間
本機で
12Gbyteのメモリを搭載すれば、1,000万要素(6面体)の解析ができることを確認しました。ただ、このベンチマークは線形静磁場の最も簡単な場合です。また、前回の解析では、2CPU時ではメモリの競合が起きているように思われましたが、今回はその傾向はなく正常に動作しました。
これからさらに64Bit機のニーズが増えていくものと思われます。私共としてもフォローしていくためにもベンチマークテストを行っていきたいと考えておりますので,新規購入,64Bit機へのアップデートをお考えであれば,ぜひテストをさせて頂きたいと思っております。
さらに、32Bit機においても同様の調査を行いました。線形・非線形解析共に調べましたので、こちらをご参照ください。