2003/5/29

EMSolutionにおける静電場解析

EMSolution r9.5より静電場解析機能をリリースします。ここでは、簡単な計算例により、本機能についてご紹介します。


まず、気中送電線の電場解析例を示します。架線は直線として断面の二次元解析を行います。三相導体(U、V,W)と接地電位導体(G)が図1の様に配置されているとします。三相の電線には実効50kVの交流電圧が加わるとします。y=0は地表面とし、電位ゼロとします。また、他の外境界も電位ゼロと仮定します。導体周りのメッシュは図2の様にしています。導体表面に対して面要素(二次元の場合は線要素)を定義し、電位を与えます。

図3に、気中における電位ポテンシャルの分布を示します。また、図3に地表面の電界強度を示します。地表面は電位ゼロの等ポテンシャル面になっており、地表面に直交する電場のみとなります。


図1.気中送電線解析メッシュ



図2.導体周りのメッシュ




図3.電位ポテンシャル分布



4.地表面における電界強度


三次元解析の例として、現実的ではありませんが、図5の様なモデルを考えてみます。2つの導体リングが立方体の導体箱内に配置されているとします。二つリングは鎖交しており、一方のリングは1kV、他方は-1kVに荷電されているとします。導体箱は接地されており電位が0とします。メッシュとしては、リング内は空洞となっており、表面に面要素が定義されています。箱内のメッシュは4面体で構成されています。内部の4面体分割はFEMAPの自動分割機能を用いました。        

図6にリング表面の電界強度分布を示します。図5,6の表示はJAVA FEM Drawerを用いました。図7に空間の等電位面を示します。図7の表示にはFEMAPを使用しています。

EMSolutionの静電場解析は、従来の静磁場解析に近い手順で行えます。静電場解析では、ポテンシャルを与える(電荷量を与えることもできます)導体の表面を面要素で定義し、メッシュデータに含める必要があります。また、ソリッド要素には比透磁率の替わりに比誘電率を入力します。境界条件としては、ゼロ電位面とするか、電場が面に平行な面とすることができます。また、周期境界条件は磁場解析と同様に課すことができます。                           

開領域問題として境界条件が問題であり、有限要素法ではそれほど高精度な電場解析は難しいと考えますが、有限要素法で簡単に電場解析をしてみようと思われましたら、是非ご利用ください。磁場解析とほとんど同じ感覚で計算できますので、EMSolutionご利用の皆様にはお手軽かと存じます。  



               








図7. 等電位アイソサーフェス図

使用データ:
気中送電線の解析 :3PhaseLines.zip
交差リングの解析 :LinkedRings.zip